CMSとは、Content Management Systemの略でシーエムエスと略称で呼ばれ
るコンテンツ管理システム。
わかりやすいくイメージすると、仕組み的にはアメブロなどのフリーブロ
グのような機能を利用できるホームページを制作する、ファイルの集合体
といったところだろうか。
さて、一部では「HTMLを知らなくてもWebサイトが制作できる」などとい
う見出しとともに、さも「なにも知らなくても簡単にホームページができ
る無料のツール」のような印象を受ける内容で記事が書かれたりします。
もちろん、企業や個人サイトにとっても、基本的にはDreamweaverなどに
代表されるHTMLオーサリングソフトを使用せずにWebブラウザ上でWebサイ
トの更新、ページ追加が可能なわけですから導入のメリットは大きいよう
に予想されますが、果たして便益だけであるのかを考えてみます。
今回は無料のオープンソースCMSについてのメリットについてから考えて
みます。
オープンソースとは、一般的にプログラムのソースコードが誰にでも閲覧
、改変することが可能なアプリケーションのこと。
■オープンソースCMSのメリット
・共通のブロックやパーツなどを一元的に管理可能で反映作業も対象が1
ファイルで済む
・HTMLやWeb制作の詳しい知識がなくてもホームページ作成と管理が可能
。
・専門的な知識を習得しなくても、ある程度サイト更新やページ追加作業
などができる
・コンテンツやサイト構成をデータベースとして保存し管理可能である
・アドオンやプラグインといった機能拡張モジュールが無料かつ簡単にイ
ンストール、利用可能である
・PHPなどのCMSをプログラミングしている言語が理解できれば、CMSの機
能拡張や機能変更、オリジナルのCMSを構築することも可能
◆オープンソースCMSの思いつく限りのデメリット
・Webから管理可能だが、ページ追加や修正、改変、画像のアップロード
など、サーバーサイドのシステム処理時間、システムを利用したアップロ
ード作業やディレクトリ管理、パスの変更など、静的ページ制作の方が簡
易的かつ素早く管理できる面がある
・プログラムシステムを利用するため、一箇所の記述などの誤りが、サイ
ト全体に影響する場合がある。
・データベースに問題が発生した場合、バックアップがないとサイト全体
の情報がすべて消滅する場合がある
・FTPを利用しない限り、CMSシステムでのファイルアップロードなどは時
間と手間がかかり管理しずらい
・テンプレートモジュールを利用できるが、Web上で行い反映させるため
、ローカルで作業する静的ページよりも反映や確認に時間と手間がかかる
・実際に利用し管理する者自身が使いこなし仕組みを理解できない限り、
販売したり利用すべきツールではない
◆オープンソースCMSメリットを逆手に考えたデメリット
・HTMLやWeb制作のある程度の知識がなければ、制作や管理が難しい場合
がある
・専門的(主にHTMLやインターネット)な知識がないと、ページのレイアウ
トやサイト更新は難しい
・データベースとして構成情報を管理するため、サーバ側にデータベース
アプリケーションが必要(ホスティングサービスにはたいてい用意されて
いるが)
・機能拡張などでアドオンやプラグインを利用するさい、思い通りの機能
を得られない場合があり、アップデート、バグやエラーなどの対処が必要
な場合、それなりの知識が必要
・PHPなどのWebに特化したプログラミングシステムを理解していないかぎ
り、改変や機能拡張、エラーな不慮のバク、システム破損などについては
一切対処できない
ここまで述べたところで「CMSを導入すべきではない」と結論を出したわ
けではない。
規模が大きくなればなるほど、システムを利用するべきであるし、サイト
管理にはコンテンツデータを一元的にデータベースファイルとしても扱え
るCMSは至極有用なWebツールであることは間違いない。
導入すべき前に、まずはCMSを本当に導入したほうがよいWEBサイトである
のか。構築したあとの運営や運用、管理がきちんとできるのか。この2点
をきちんと考慮してからCMSツールを導入、構築する方がよいということ
だ。
実はDreamweaverをはじめとするWebページオーサリングソフトの機能を駆
使したほうが、CMSサイトを構築するよりも、より人件費や導入後の負担
を軽くすることが可能だからだ。
CMSツール導入の検討は、サイトの規模や導入後の管理や更新、その後の
機能拡張やページ追加やカスタマイズ頻度などをよくよく考慮して導入す
るほうがよいだろう。
もちろん、静的ページの方が逆に非生産的である場合があるので、そちら
についても検討をする必要がある。
と思う。