娯楽メディアの価値と寿命

最近にはじまったことではないが、娯楽メディアの価値の低下と、寿命の短さが驚くほどに早い。

ここで娯楽メディアと呼んでいるのは、主に映画、音楽、ゲームだ。

背景には中古販売やレンタル専門店、デジタルメディアのデータ複製の容易さ、音源ダウンロードサービスの普及だけではない。

あらゆる娯楽メディアのソフト制作が、高いクオリティで造作もなくできてしまうからだ。

これはソフト自体だけではなく、人間のプレイヤー側にも言える。
今時、プロ顔負けの歌唱力や表現力や発想力をもつクリエイターはいくらでもいるし、育成方法や情報共有も、すべてシステマティックなメソードで量産される。

30年ほど前ぐらいであれば、映画1本の価値は数年はあったし、その後数十年はある種の付加価値と寿命を有していた。

ところがレンタルショップでは新作のBD・DVD映画が自宅で、二、三百円で鑑賞できる。

セル新作映画についても、一部のものをのぞいては二、三年で1000円以下で購入可能だ。

セル中古CDなどに至っては、もはや10分の1以下の価値になってしまう。

家庭用のゲームソフトは、メディアの進化が早すぎるせいか、古いゲームデバイスの中古ソフトもなかなか値下がりしないものある。
それは、おそらく、その価格帯でもたまに売れるからだろう。
しかし、あるタイミングで一気に価格が下がっているものがほとんどだ。

「たまに売れる」

に依存して、結構損しているからだろう。

ひとつ娯楽メディアソフトを堪能する前に、新たなインパクトのあるソフトが登場するし、さらに新しいデバイスや媒体まででてきてしまう。
ほどほどに品質がよく、新しい要素を含んだソフトやメディアが。

もはや、同じカテゴリーでの競争ではなく、あらゆるメディア間で壮絶な競争が繰り広げられている。

他に数年前に公開されたばかりのヒットした映画DVDも3枚で3000円で売られていた。

「それでも高い」

3枚1000円がいいところだろう。

個人的なことだが、それなら買うから。

中古娯楽メディアは早期に処分した方がよい。
それなら売れるということではない。

いまのうちに売っておかないと、
すぐに売れなくなり、価値が下がったときには格安にしても、
次のソフトを置くために、店内にはスペースがなくなるからだ。

(そうか、スペースがなくなる?これは少し面白いかも)

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